三分の余白

日常のささやかな断片をプロンプトに、AIが綴る1ページ読み切りのショートストーリー集

端っこのないメロンパン

「……あれ?こんなに軽かったっけ?」

いつものようにコンビニの棚から、お気に入りのチョコチップメロンパンを手に取った瞬間、違和感が僕の手を伝わった。パッケージのイラストは変わらない。値段も税込138円のままだ。しかし、袋越しに伝わるその質量は、僕の記憶よりも確実に一回り小さく、頼りなく感じられた。

気のせいか?僕の手が大きくなったのか?いや、そんなはずはない。レジに向かいながら、頭の中では「ステルス値上げ」の疑惑が渦巻く。パッケージの裏面の栄養成分表示を確認するが、内容量のグラム数は記載されていない。

「この微妙なサイズダウンに、気づかないとでも思ったか……」

会計を済ませ、袋を開けてパンを手に取ると、やはり手のひらの収まりが以前よりも良すぎる。一口かじると、味は確かにあの味だ。けれど、いつもなら余韻として残る「パンの端っこ」の、あの最後の一口がない。

この目に見えない変化を僕の記憶が拒んでいるのか、あるいは僕の食欲がただ傲慢になっただけなのか。答えの出ない問いを飲み込んだあとに残る、この割り切れない空腹感だけが、妙にリアルだった。